专利摘要:
燃料電池システム(10)は、燃料電池(14)と、燃料電池(14)と熱的に接触しており、燃料電池(14)の運転中に燃料電池(14)により発生される熱を、冷却媒体の蒸発によって吸収して燃料電池(14)から除去するためのものである蒸発冷却システム(16)とを具備する。燃料電池システム(10)は、さらに、蒸発冷却システム(16)内の圧力を感知するための装置(22)を具備する。制御ユニット(24)は、燃料電池(14)の運転中に燃料電池(14)により発生される熱によって蒸発冷却システム(16)の冷却媒体を液体状態から気体状態に移行させるように、蒸発冷却システム(16)内の圧力を感知するための装置(22)から制御ユニット(24)へ供給される信号に基づいて燃料電池(14)の運転温度を制御するように適合されている。
公开号:JP2011507165A
申请号:JP2010537270
申请日:2008-11-18
公开日:2011-03-03
发明作者:シャイベルト トビアス
申请人:エアバス オペラツィオンス ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング;
IPC主号:H01M8-04
专利说明:

[0001] 本発明は、蒸発冷却式燃料電池システムに関し、蒸発冷却式燃料電池システムの運転方法に関する。]
背景技術

[0002] 燃料電池システムは、少ない排出物及び高効率で、電力を発生させることができる。この理由により、現在、例えば、自動車工業、海運業又は航空機産業のような様々な移動式の用途において、電気エネルギーを発生させる目的で燃料電池システムを応用する努力がなされている。例えば、航空機においては、主エンジン又は補助タービンにより運転される機上搭載電源のために現在使用されている発電機が、燃料電池システムに置き換えられることが考えられる。さらに、燃料電池システムを、航空機の緊急電源に使用することや、従来使用されているラムエアタービン(RAT)と置き換えることもありうる。]
[0003] 燃料電池は、通常、カソード部と、電解質でカソード部と隔てられたアノード部とを含む。燃料電池が運転中であるとき、燃料(例えば水素)は、燃料電池のアノード側へ供給され、また、酸素を含んでいる酸化剤(例えば空気)は、燃料電池のカソード側へ供給される。高分子電解質膜(PEM)燃料電池では、水素分子は、例えば反応式(1)に従って、アノード部にあるアノード触媒にて反応し、正電荷を持つ水素イオンの形成によって、電極へ電子を渡す。
H2 → 2・H+ + 2・e− (1)]
[0004] それから、アノード部で形成されたH+イオンは、電解質を通してカソードへ拡散し、そしてそこで、カソード部にあるカソード触媒にて、反応式(2)に従って、カソードに供給された酸素及び外部の電気回路を経由してカソードに送られた電子と反応し、水を形成する。
0.5・O2 + 2・H+ + 2・e− → H2O (2)]
[0005] 電気エネルギーの発生に加えて、燃料電池は、運転中のとき、熱エネルギーを発生する。この熱エネルギーは、燃料電池のオーバーヒートを防ぐため、冷却システムを用いて燃料電池から除去されなければならない。移動式の用途の場合、通常、運転中の燃料電池により発生された熱エネルギーの一部だけが、さらなる利用のためシステム内部又は外部の熱シンクに供給することができ、往々にして、燃料電池により発生した反応熱の少なくとも一部は環境に放出されなければならない。例えば機上電源用のように、航空機の中で使用される燃料電池は、大きな電気エネルギー必要量を満たすことができるように設計されるはずである。しかしながら、電気エネルギーの発生に関して大容量を有する燃料電池は、大量の熱エネルギーも発生させ、そのため、冷却の必要量が大きい。]
[0006] 原則としては、航空機に搭載されて使用される燃料電池は、様々な方法で冷却することができる。例えば、燃料電池で発生された反応熱を吸収するために、液体が冷却媒体として使用される液体冷却が可能である。液体冷却システムの冷却能力は、おおよそ等式(3)で計算される。



ここで、

は冷却液の熱吸収能力であり、

は質量流量であり、CpFは冷却液の熱容量であり、ΔTFは冷却液出口温度と冷却液入口温度との温度差である。]
[0007] 等式(3)から直接明白であるように、冷却液が回路内を通過する、効率的な液体冷却では、燃料電池からの熱の吸収により熱せられた冷却液がΔTFだけ再び冷却されることが、再び効率的に燃料電池からの廃熱を吸収する前に求められる。ΔTFだけ冷却液を冷却する目的で、冷却液は、例えば、冷却液に蓄積された熱エネルギーを、さらなる冷却媒体、例えば周囲空気に、伝達する熱交換器に供給されることができる。冷却液体の周囲空気による再冷を後続に伴う、燃料電池を液体冷却することの代わりとして、燃料電池を直接周囲空気で冷却することも考えられる。]
[0008] 周囲空気冷却システムが燃料電池を直接周囲空気で冷却するために用いられるか、液体冷却システムの冷却液を再冷するためだけの役目をするかに関わらず、周囲空気冷却システムの冷却能力は、おおよそ等式(4)で計算される。]
[0009] ここで、

は冷却空気の熱吸収能力であり、

は冷却空気の質量流量であり、CpLは冷却空気の熱容量であり、ΔTLは冷却空気出口温度と周囲空気の温度との温度差である。]
[0010] 等式(4)から、冷却空気出口温度と周囲空気の温度との温度差ΔTLが小さければ小さいほど、周囲空気冷却の冷却能力が小さくなることが明らかである。通常、運転温度が約60から110℃であり、出力の最適条件が約60から90℃である、低温PEM燃料電池の冷却の場合には、従って、燃料電池の運転温度に最も対応する、冷却空気出口温度と、周囲空気の温度との温度差ΔTLが比較的小さく、そのため、冷却システムの能力は対応して小さいという問題がある。従って、PEM燃料電池から環境に適切に熱を除去するためには、大きな伝熱表面が必要である。従って、PEM燃料電池のための液体及び/又は空気による冷却システムは必ず、移動式への応用、特に航空機産業用の利用のために非常に不利である、大きい体積及び比較的大きな重量である。さらに、航空機に搭載されて使用されるPEM燃料電池を冷却するために必要とされる冷たい空気は、その航空機の環境から吸引されなければならず、燃料電池により発生された反応熱の吸収が続き、その航空機の環境へ再び排出される。しかしながら、空気の吸引取り込み及びその航空機環境への除去は、効率的な航空機の航空業務に不利である、空気抵抗の増大をもたらす。]
[0011] その冷却能力が冷却媒体の温度と周囲空気の温度との差に実質的に依存する、上記した冷却システムとは対照的に、等式(5)に従う蒸発冷却システムの冷却能力は、蒸発冷却システムにおいて用いられる冷却媒体の蒸発エンタルピーΔhV、液体状態から気体状態に移行する冷却媒体の熱吸収能力である

、及び液体状態から気体状態に移行する冷却媒体の質量流量である

によって決められる。]
[0012] 蒸発に続き、蒸発冷却システムの回路内を通過した冷却媒体は、凝縮により、液体状態に戻されなければならない。しかしながら、冷却媒体は、蒸発冷却システムによって冷却された燃料電池の運転温度未満の温度まで冷却される必要はない。さらに、上記した液体冷却及び空気冷却システムと比較して、蒸発冷却システムでは、例えば水のような、通常の冷却媒体の状態変化は、その冷却媒体が液体状態において吸収できるものより、非常に多くのエネルギーが必要である、という利点がある。従って、蒸発冷却システムは、同程度の冷却能力を有する空気冷却システムよりも、著しく少ない冷却媒体の質量流量で運転されることが可能である。]
[0013] 燃料電池を冷却するための蒸発冷却システムは、例えば、独国特許出願公開19935719(A1)号明細書から公知である。独国特許出願公開19935719(A1)号明細書に記載された冷却システムでは、冷却媒体、例えば水が、燃料電池スタックのアノードガス供給チャンバー及びアノード排気ガスチャンバーに配置された、複数の冷却管を通過する。冷却媒体は、冷却管を通って流れるに従って蒸発し、熱放射により燃料電池から放出された熱量の90%までを吸収する。]
[0014] 本発明は、特に航空機での使用に適した、蒸発冷却式燃料電池システムを提供することを目的とする。さらに、本発明は、そのような蒸発冷却式燃料電池システムの運転方法を提供することを目的とする。]
[0015] この目的は、請求項1で特定した特徴を有する燃料電池システムによって達成され、請求項11で特定した特徴を有する燃料電池システムの運転方法によって達成される。]
[0016] 本発明による燃料電池システムは、燃料電池、好ましくはMW出力クラスの燃料電池を具備する。ここで、「燃料電池」との用語は、単独のセルを意味するだけではなく、複数の燃料電池を含む燃料電池スタックをも意味する。この燃料電池は、アノード部が水素源に接続され、カソード側に、酸素を含む酸化手段、好ましくは空気が供給される、PEM燃料電池であることが好ましい。この燃料電池のアノード部に供給される燃料、好ましくは水素は、本発明による燃料電池システムに組み込まれた燃料タンクに貯蔵することができる。それに代えて又はそれに加えて、本発明による燃料電池システムは、燃料電池のアノード部へ供給される燃料を生成するための燃料生成設備を含むことができる。この燃料電池のカソード側は、コンプレッサーの圧力側に接続することができる。このコンプレッサーは、統合された空気及び蒸気の入口を有するコンプレッサーとすることができる。]
[0017] この燃料電池は、低温PEM燃料電池若しくは高温PEM燃料電池、無機材料を有する複合電解質を含むPEM燃料電池、ポリベンズイミダゾールPEM燃料電池、又はポリペルフルオロスルホン酸PEM燃料電池とすることができる。運転中の際、この燃料電池は、電気エネルギーの発生に加えて、熱エネルギーを発生させる。この熱エネルギーは、燃料電池のオーバーヒートを防ぐため、燃料電池から除去されなければならない。]
[0018] 従って、本発明による燃料電池システムは、さらに、燃料電池に熱的に接触しており、燃料電池の運転中に燃料電池から発生される熱を、冷却媒体の蒸発によって吸収して燃料電池から除去するためのものである蒸発冷却システムを具備する。既に説明したように、蒸発冷却システムは、冷却媒体を液体状態から気体状態に移行させるのに必要な蒸発エンタルピーが高いことによる、高い熱吸収能力と、それによる高い冷却能力により特徴付けられる。そのため、本発明による燃料電池システムの蒸発冷却システムは、同様の熱吸収能力を有する空気又は液体冷却システムと比較して、著しく少ない冷却媒体の質量流量で運転されることができ、また、コンパクトな設計であり、より少ない重量である。さらに、蒸発冷却システムは、低エネルギー損失であり、本発明による燃料電池システムが航空機に搭載されて使用された際に、いかなる追加の空気抵抗も引き起こさず、運転中の負荷のピークの間でも、確実かつ独立して、燃料電池に冷却能力を供給することができる。最後に、蒸発の際の冷却媒体の膨張によって、蒸発冷却システムの、燃料電池と熱的に接触している領域から速やかに冷却媒体を取り除くことができるので、高いシステム動特性が、本発明による燃料電池システムの蒸発冷却システムで実現することができる。]
[0019] 本発明による燃料電池システムの蒸発冷却システムは、燃料電池から分離されて設計されたシステムとして構成することができる。しかしながら、好ましくは、この蒸発冷却システムは、少なくとも部分的に燃料電池の構成要素に組み込まれており、例えば、燃料電池又は燃料電池スタックのバイポーラプレート、分離プレート、カバープレート、及び/又は側面境界プレートに形成された冷却流路を具備する。それに代えて又はそれに加えて、この蒸発冷却システムの冷却流路は、燃料電池のアノードガス供給チャンバー、カソードガス供給チャンバー、アノード排気ガスチャンバー、及び/又はカソード排気ガスチャンバーに延長していてもよい。冷却媒体はこの蒸発冷却システムの冷却流路を通過して流れ、冷却媒体は、運転中に燃料電池から発生される熱の吸収により、液体状態から気体状態に移行される。例えば、水を冷却媒体として使用することができ、それは蒸発冷却システムの冷却流路を通って流れるに従って、核沸騰により蒸発される。]
[0020] 本発明による燃料電池システムは、蒸発冷却システム内、すなわち、蒸発冷却システムのうち冷却媒体が液体状態から気体状態に移行される部分の圧力を感知する装置をさらに具備する。蒸発冷却システム、すなわち、蒸発冷却システムのうち冷却媒体が液体状態から気体状態に移行される部分が、蒸発冷却システムの環境に接続されている場合には、この圧力感知装置を適用して、蒸発冷却システム及び/又は燃料電池の環境の圧力を感知するように配置することができる。この圧力感知装置としては、例えば、圧力センサーを用いることができる。この圧力感知装置は、例えば電子制御ユニットとして構成される制御ユニットに、蒸発冷却システム内の圧力の特性である信号を供給する。]
[0021] 本発明による燃料電池システムの制御ユニットは、燃料電池の運転中に燃料電池により発生される熱によって蒸発冷却システムの冷却媒体を液体状態から気体状態に移行させるように、蒸発冷却システム内の圧力を感知するための装置から制御ユニットへ供給される信号に基づいて燃料電池の運転温度を制御するように適合される。言い換えれば、この制御ユニットは、蒸発冷却システム内、すなわち、蒸発冷却システムのうち冷却媒体が蒸発される部分内の圧力に基づいて、燃料電池の運転中に燃料電池によって発生された熱が、蒸発冷却システムの冷却媒体を液体状態から気体状態まで移行するのに十分であることが常に保証されるように、燃料電池の運転温度を制御するように適合される。その結果、蒸発冷却システムが適切に機能することは常に保証される。本発明による燃料電池システムでは、燃料電池により発生された熱の吸収後の冷却媒体の温度は、燃料電池の運転温度の直下である。そのため、大きな熱移動と、そのために蒸発冷却システムの特に良い冷却能力とが実現される。さらに、冷却媒体の物質状態の実質的な等温変化は、蒸発冷却システムの安定的な運転を可能とする。]
[0022] 例えば水のような、通常の冷却媒体の蒸発温度は、圧力が減少するにつれて、減少する。例えば、海抜ゼロメートル地点における大気圧に相当する圧力(1.0132bar)では、水の蒸発温度は100℃である。それに対し、12192m(40000フィート)の高度、すなわち、民間航空機の巡航高度で存在するように、0.1992barの圧力では、水の蒸発温度はたった60℃である。従って、本発明による燃料電池システムの蒸発冷却システムが、水を冷却媒体として運転される際、海抜ゼロメートル地点での大気圧に相当する蒸発冷却システム内の圧力である場合、運転中の燃料電池によって発生される熱が、蒸発冷却システムの冷却媒体を100℃を超えるまで熱するのに、また、その結果蒸発冷却システムが適切に機能することがもたらされるのに十分なように、燃料電池の運転温度は選択されなければならない。一方、蒸発冷却システム内の圧力がたった0.1992barである場合、運転中に燃料電池によって発生される熱は冷却媒体を60℃まで熱するのに十分でなければならないだけであるので、燃料電池はより低い運転温度で運転されることができる。]
[0023] 低温PEM燃料電池は、約60から90℃の間で運転されるときに最適出力を得る。本発明による燃料電池システムにおいては、例えば、海抜ゼロメートル地点での大気圧よりも低い周囲圧力のために、蒸発冷却システム内の圧力が十分に低いと、圧力感知装置によって決定されれば、制御ユニットは、燃料電池の最適出力が得られるのに十分である程度まで燃料電池の運転温度を低くすることができるが、運転中に燃料電池により発生される熱は、蒸発冷却システムの冷却媒体を液体状態から気体状態まで移行するのには、またそのために蒸発冷却システムの適切に機能することが保証されるのには十分である。]
[0024] 飛行中には、航空機は、主に、周囲圧力が海抜ゼロメートル地点での大気圧よりも低い環境中にある。この事実は、特に有利な態様で、航空機に搭載されて使用される本発明による燃料電池システムでは、燃料電池の運転期間の大部分において、100℃未満で、ただしできるだけ約60から90℃の間の最適運転温度範囲で、燃料電池の運転温度を維持するために利用することができる。このことに必要なのは、蒸発冷却システム、すなわち、蒸発冷却システムのうち冷却媒体が蒸発される部分が、航空機の非与圧領域に配置され、蒸発冷却システムのこれらの部分に、航空機の環境の、より低い周囲圧力が存在するように周囲大気と接続されていることのみである。]
[0025] 例えば、制御ユニットは、航空機に搭載されて使用される本発明による燃料電池システムの燃料電池の運転温度を、航空機が一定の巡航高度にある間は、燃料電池の最適運転温度範囲にある範囲内において、一定温度で維持することができる。その一方で、制御ユニットは、航空機が上昇中であるとき、周囲圧力の低下に従って燃料電池の運転温度を下げることができ、航空機が下降中であるとき、周囲圧力の増大に従って燃料電池の運転温度を上げることができる。]
[0026] 本発明による燃料電池の蒸発冷却システムの冷却媒体として水を用いた場合、航空機が約12192m(40000フィート)の一定の巡航高度にあるとき、制御ユニットは燃料電池の運転温度を、例えば約60℃に維持することができる。航空機がほぼ海抜ゼロメートルの出発位置から巡航高度に達するまで上昇中のときは、制御ユニットは、上昇中の間連続的に燃料電池の運転温度を、周囲圧力の低下に従って、例えば約100℃から約60℃まで、下げることができる。その一方で、航空機が巡航高度からほぼ海抜ゼロメートルの着陸位置へ下降中のときは、制御ユニットは、周囲圧力の増大に従って、約60℃から約100℃まで連続的に燃料電池の運転温度を上げることができる。]
[0027] 本発明による燃料電池の好ましい態様では、制御ユニットは、燃料電池の運転中に燃料電池により発生される熱による蒸発冷却システムの冷却媒体の蒸発が、冷却媒体の湿り蒸気領域内でなされるように、蒸発冷却システム内の圧力を感知するための装置から制御ユニットへ供給される信号に基づいて燃料電池の運転温度を制御するように適合されている。ここでの「湿り蒸気」とは、沸騰した液体及び飽和した蒸気が平衡状態にある系であると理解される。]
[0028] 本発明による燃料電池システムの蒸発冷却システムに使用される冷却媒体の蒸発が、冷却媒体の湿り蒸気領域でなされれば、冷却媒体の蒸発中、沸騰している液体状態の冷却媒体は、冷却媒体の飽和蒸気と平衡状態にある。これは、冷却媒体が蒸発中、その圧力に依存する蒸発温度まで熱せられる場合は常にそうである。従って、制御装置は、蒸発冷却システムの冷却媒体が、圧力に依存する冷却媒体の蒸発温度に相当する温度にまで熱されるように、燃料電池の運転温度を制御することが好ましい。例えば、燃料電池は、圧力に依存する、蒸発冷却システムの冷却媒体の蒸発温度より0から5℃、好ましくは1から3℃高い運転温度にて運転されることができる。]
[0029] 本発明による燃料電池システムは、好ましくはさらに、燃料電池内に、すなわち、組み込まれた蒸発冷却システムの冷却流路がない燃料電池の構成要素内に、所望の圧力を発生させるように適合された燃料電池運転圧力発生システムを具備することが好ましい。本発明による燃料電池システムの燃料電池運転圧力発生システムは、例えば、燃料電池システムの媒体供給システムに組み込むことができ、燃料電池のカソード部に酸化剤を供給するコンプレッサーを具備し、及び/又は、それに対応する、燃料電池のアノード部に燃料を供給する輸送装置を具備することができる。燃料電池運転圧力発生システムは、燃料電池の周囲圧力及び蒸発冷却システム内の圧力に関係なく、燃料電池の運転圧力を所望の水準にし、又は、所望の水準を維持する役目をする。]
[0030] 燃料電池運転圧力発生システムは、燃料電池内に、燃料電池の環境の周囲圧力及び/又は蒸発冷却システム内の圧力よりも低い又はより高い圧力を発生するように適合されることができる。さらに、本発明による燃料電池システムは、燃料電池運転圧力発生システムを制御するために、例えば、電子制御ユニットとして構成された制御ユニットを含むことができる。この燃料電池運転圧力発生システムを制御するための制御ユニットは、個別の制御ユニットとすることができる。ただし、その代わりとして、燃料電池運転圧力発生システムを制御するための制御ユニットは、燃料電池の運転温度を制御するための制御ユニットに統合することもできる。]
[0031] 既に説明したように、本発明による燃料電池システムでは、燃料電池の運転温度は、燃料電池の運転中に発生される熱により、蒸発冷却システムの冷却媒体が液体状態から気体状態へ移行されるように、蒸発冷却システム内の圧力に従って、常に制御される。しかしながら、それに相応して高い運転温度の場合、例えば水のような、燃料電池内に、すなわち、例えば、アノード部、カソード部、アノード部をカソード部と分離する膜、アノードガス管又はカソードガス管において、通常は液体状態で存在する物質及び/又は物質の混合物が蒸発するという問題が起こることがある。]
[0032] 燃料電池の運転中に燃料電池内に通常は液体状態で存在する物質及び/又は物質の混合物の不要な蒸発を抑制するため、燃料電池運転圧力発生システムを制御するための制御ユニットは、燃料電池運転圧力発生システムが、燃料電池内に通常は液体状態で存在する物質及び/又は物質の混合物の不要な蒸発を抑制される圧力を燃料電池内に発生させるように適合されることができる。]
[0033] 燃料電池運転圧力発生システムを制御するための制御ユニットは、燃料電池の運転温度に基づいて燃料電池運転圧力を制御するように適合されることができる。燃料電池運転圧力発生システムを制御するための制御ユニットに制御変数として使用される燃料電池の運転温度は、燃料電池の運転温度を制御するための制御ユニットにより提供される、燃料電池の設定運転温度とされることができ、又は、例えば温度センサーによって測定された燃料電池の運転温度とされることができる。ただし、それに代えて又はそれに加えて、燃料電池運転圧力発生システムを制御するための制御ユニットは、蒸発冷却システム内の圧力を感知する装置から供給される信号に基づいて燃料電池運転圧力を制御するように適合されることもできる。例えば、燃料電池運転圧力発生システムを制御する制御ユニットは、蒸発冷却システム内の圧力の特性である、圧力感知装置の信号を基に、燃料電池の設定運転温度を計算することができ、また、この圧力感知装置の信号を燃料電池の適切な設定運転圧力の決定のための制御変数として使用することができる。]
[0034] 本発明による燃料電池システムの蒸発冷却システムで、環境上良性の冷却媒体として水が使用される場合、例えばPEM燃料電池として構成された燃料電池は、海抜ゼロメートル地点における大気圧におおよそ相当する蒸発冷却システム内の圧力の場合には、おおよそ100から105℃の運転温度にて、運転されることが好ましい。そのとき、燃料電池運転圧力発生システムを制御するための制御ユニットは、燃料電池運転圧力発生システムを、海抜ゼロメートル地点での大気圧よりも高い圧力、例えば2barを燃料電池内に発生させるように制御されることが好ましい。2barの圧力では、水の蒸発温度は120.23℃である。燃料電池内、すなわち、例えばアノード部、カソード部、アノード部をカソード部と分離する膜、アノードガス管又はカソードガス管において存在する水の蒸発は、燃料電池の運転温度にて確実に抑制される。]
[0035] 既に説明したように、本発明による燃料電池システムの蒸発冷却システムで起こる蒸発により、大量の熱が、燃料電池から除去されることができる。蒸発冷却システムによって燃料電池から除去された熱は、その後、環境に放出されるか、さらなる利用に供給されなければならない。伝熱プロセスは、等式(6)によって記述されることができる。



ここで、

は移動した熱であり、kは熱伝達率であり、Aは伝熱表面であり、Δtmlogは温度勾配である。熱伝達率kは、等式(7)によって計算される。



ここで、sは壁の厚さであり、λは熱伝導度であり、αは熱伝達率である。]
[0036] 熱伝達率αは、伝熱プロセスの経過中に移動される熱の出力の主な変数であるとみなされる。大きな伝熱係数は、凝縮プロセスの場合に得られる。従って、本発明による燃料電池システムの蒸発冷却システムは、燃料電池を冷却する目的で、燃料電池の運転中に冷却媒体を凝縮するための凝縮器を具備する。このような蒸発冷却システムの設計の場合には、燃料電池の反応熱の吸収は、蒸発を通じてなされ、一方で、燃料電池の反応熱の放出は、凝縮プロセスを通じて実現される。凝縮プロセスは、蒸発プロセスと同様に、例えば、液体状態の冷却媒体が吸収できるものよりも、非常に大量のエネルギーを消費するので、凝縮器を備える蒸発冷却システムは特に効率的に動作する。]
[0037] 凝縮器が備えられた蒸発冷却システムのさらなる利点は、凝縮器により凝縮された冷却媒体が、液体状態で燃料電池に戻され、そこで再度燃料電池を冷却する目的で蒸発させられる、循環方式として運転できることにある。ただし、好ましくは、凝縮器が備えられた蒸発冷却システムでは、凝縮器の不具合の場合であっても燃料電池の適切な冷却が保証されるように、燃料電池を冷却する機能は冷却媒体の回収機能から分離される。蒸発冷却システムに適切に冷却媒体が供給されることを保証するため、本発明による燃料電池システムは、燃料電池の運転中に生成された水を、蒸発冷却システムに供給する装置を具備することができる。]
[0038] 蒸発冷却システムによって燃料電池から除去された熱は、環境に放出することができる。これは、特に、結果として生じた熱が比較的低温のレベル、例えば、60℃であるときに適切である。]
[0039] 本発明による燃料電池システムの燃料電池によって発生された廃熱は、環境へ効率的に除去されるような凝縮器は、例えば、外板冷却器の方式で構成されることができる。この外板冷却器は、例えば、燃料電池システムに面する内側が、吹き付けられた蒸気状の冷却媒体を受け、蒸気凝縮器として機能する壁により、構成することができる。一方で、外板冷却器を構成する、外面が環境に面する壁の外側は、周囲空気を熱する手段として動作する。外板冷却器として構成された凝縮器は、特に、航空機に搭載されて使用される、本発明の燃料電池システムの使用に適している。そのため、外板冷却器は、例えば、燃料電池の冷却のため、燃料電池の運転中に蒸発された、吹き付けられた冷却媒体を内側で受ける、航空機の外板の一部で構成することができる。]
[0040] 航空機の外板部分が外板冷却器として用いられれば、大きな伝熱表面を、簡単に、かつ追加の構成要素なしで作ることができる。これは、重量に関する相当な利点に帰着する。さらに、例えば航空機の外板の一部で構成される、外板冷却器は、高い冷却能力により特徴付けられ、パイプラインがないことによって、重量の面でもさらなる利点を可能にする。さらに、外板冷却器による熱の除去は雑音をほとんど発生させず、また、航空機内で使用される、本発明の燃料電池システムの場合には、不要な追加の空気抵抗となりうる、いかなる大きな空気量の移動も必要としない。結果として、このロフトの障害が回避される。]
[0041] 本発明による燃料電池システムの燃料電池が運転中に発生させる反応熱を環境へ除去することに代えて又はそれに加えて、燃料電池により発生される熱は回収され利用されることもできる。この目的のため、本発明による燃料電池システムは、冷却媒体に蓄積された熱の利用のための少なくとも一つの装置を具備することができる。冷却媒体に蓄積された熱の利用は、直接的又は間接的に達成されることができる。例えば、気体状態の冷却媒体を、冷却媒体に蓄積された熱を利用する装置に直接供給することができる。ただし、この方法により蒸発冷却システムから取り出された冷却媒体は、燃料電池の適切な冷却を保証するために、蒸発冷却システムに輸送され戻されなければならない。]
[0042] それに代えて又はそれに加えて、冷却媒体に蓄積された熱だけを、この熱を利用するための装置に移動させることも考えられる。この目的のため、気体状態の冷却媒体を例えば冷却媒体に蓄積された熱を利用するための装置に熱的に接触した熱交換器を通過させることができる。さらに、蒸発冷却システムに備え付けられる凝縮器は、凝縮器での冷却媒体の凝縮により放出された熱が、冷却媒体に蓄積された熱を利用するための装置に移動されるように構成され、及び/又は配置されることができる。]
[0043] 冷却媒体に蓄積された熱を利用するための装置は、好ましくは、冷却媒体に蓄積された熱を暖房目的で利用する蒸気暖房手段により構成された、暖房装置とすることができる。ただし、それに代えて、冷却媒体に蓄積された熱を利用するための装置は、海水から飲料水を得るための、水脱塩設備とすることができる。航空機で使用されるために備え付けられた、本発明による燃料電池システムでは、冷却媒体に蓄積された熱を利用する装置としては、好ましくは、航空機の除氷設備である。]
[0044] 最後に、蒸発冷却システムでの冷却媒体として用いる水を、水及び/又は水蒸気を航空機の排気ガス流に供給する設備において用いることが考えられる。これにより、航空機エンジンの汚染物質の放出を削減することができる。]
[0045] 本発明による燃料電池システムの好ましい態様では、環境へ冷却媒体を除去する装置をさらに具備することが好ましい。冷却媒体に蓄積された熱を環境へ除去することができない場合、又は、そうでなければ、十分な程度まで利用することができない場合、好ましくは、このような環境へ冷却媒体を除去する装置は、冷却媒体を気体状態で環境へ除去するように適合される。環境へ冷却媒体を除去する装置は、例えば、排出バルブの形式で構成されることができ、冷却媒体に蓄積された熱の除去が、例えば、高い周囲温度又は無風状態などによる、より難しい状態である場合であっても、本発明の燃料電池システムの確実な運転を保証することができる。]
[0046] 本発明に従う、燃料電池と、燃料電池と熱的に接触しており、燃料電池の運転中に燃料電池により発生される熱を、冷却媒体の蒸発によって吸収して燃料電池から除去するためのものである蒸発冷却システムとを具備する燃料電池システムの運転方法では、蒸発冷却システム内の圧力は、適切な圧力感知装置により感知される。燃料電池の運転温度は、圧力感知装置から制御ユニットに供給される信号に基づいて制御ユニットにより制御される。燃料電池の運転温度の制御は、燃料電池の運転中に燃料電池により発生される熱によって蒸発冷却システムの冷却媒体が液体状態から気体状態に移行させるようにして達成される。]
[0047] 好ましくは、燃料電池の運転中に燃料電池により発生される熱による蒸発冷却システムの冷却媒体の蒸発が冷却媒体の湿り蒸気領域内でなされるように、圧力感知装置から制御ユニットに供給される信号に基づいて、燃料電池の運転温度が制御される。]
[0048] 本発明による、燃料電池システムを運転する方法の好ましい態様では、燃料電池運転圧力発生システムを用いて所望の圧力が、燃料電池内に発生される。例えば、燃料電池運転圧力発生システムを用いて、燃料電池のアノード部、カソード部、アノード部をカソード部と分離する膜、アノードガス管及びカソードガス管において所望の圧力が発生される。]
[0049] この燃料電池運転圧力発生システムは、燃料電池運転圧力発生システムを制御するための制御ユニットにより、燃料電池内に通常は液体状態で存在する物質及び/又は物質の混合物の不要な蒸発を抑制する圧力を、燃料電池内に発生させるように制御されることができる。]
[0050] 好ましくは、燃料電池運転圧力発生システムを制御するための制御ユニットは、燃料電池の運転温度に基づいて、及び/又は、蒸発冷却システム圧力を感知するための装置の信号に基づいて、燃料電池内の圧力を制御する。]
[0051] 燃料電池を冷却する目的で燃料電池の運転中に蒸発された冷却媒体は、凝縮器内で凝縮されることができる。好ましくは、冷却媒体は外板冷却器の形式により構成された凝縮器により凝縮される。]
[0052] それに代えて又はそれに加えて、冷却媒体に蓄積された熱は、該熱の利用のための少なくとも一つの装置に供給されることができる。例えば、冷却媒体に蓄積された熱は、蒸気暖房手段、水の脱塩設備又は航空機の除氷設備の形で構成された、該熱の利用のための装置に供給されることができる。]
[0053] さらに、蒸発冷却システム内で冷却媒体として使用される水は、液体又は蒸気の状態で、航空機の排気ガス流へ供給されることもできる。]
[0054] 好ましくは、必要なとき、例えば、冷却媒体に蓄積された熱の適切な除去又は利用ができないときは、冷却媒体は環境中へ除去される。]
[0055] 本発明による燃料電池システムは、航空機の燃料電池に基づいたエネルギー供給ユニット、特に飛行機の利用を安定させることに特に適している。例えば、この燃料電池システムは、補助動力ユニット(APU)若しくはラムエアタービン(RAT)の代わりとして、又は翼の防氷システム(WAIS)のためのエネルギー供給システムとして使用することができる。航空機の電源需要をカバーするために、1MWの電力を発生させることができる燃料電池システムの要求があるかもしれない。本発明による燃料電池システムの蒸発冷却システムは、その少ない重量及びコンパクトな設計にも関わらず、高出力燃料電池を冷却するのに十分な冷却能力を提供することができる。さらに、例えば航空機の空調設備のような、他の航空機システムから独立して、冷却システムの自律運転が可能である。従って、本発明による燃料電池システムは、例えば自律の緊急電力供給ユニットとして航空機に搭載して使用されることができる。]
[0056] 本発明による燃料電池システムを装備した航空機では、その燃料電池システム、又は少なくとも冷却媒体を蒸発させる蒸発冷却システムの部分は、好ましくは航空機の非与圧領域に配置される。航空機内のそのような領域は、例えば主構造体/胴体の覆い(胴体フェアリング)及び胴体後部に、位置する。]
[0057] 本発明による燃料電池システムの好ましい典型的な3つの実施態様を、以下に、添付の概要図を参照しながら、より十分に説明する。]
図面の簡単な説明

[0058] 燃料電池システムの第1の実施態様の概要図を示す。
燃料電池システムの第2の実施態様の概要図を示す。
燃料電池システムの第3の実施態様の概要図を示す。]
実施例

[0059] 図1は、胴体フェアリング12内に、すなわち、航空機の非与圧領域内に配置された燃料電池システム10を示している。燃料電池システム10は、燃料電池スタックの形式で構成された燃料電池14を具備する。燃料電池14は、運転温度範囲が60から110℃である低温PEM燃料電池として構成されている。燃料電池14の最適運転温度範囲は60から90℃である。] 図1
[0060] 燃料電池14を冷却するために備え付けられた蒸発冷却システム16は、図1にはそれほど詳細には現れていない、燃料電池14のバイポーラプレート内に構成されている冷却流路17を具備する。冷却媒体として供される水は、燃料電池14の運転中に、冷却流路17を通って流れる。液体状態である水は、ポンプ18によって、冷却媒体タンク20から冷却流路17へ供給される。] 図1
[0061] さらに、圧力センサー22が胴体フェアリング12の内部に配置される。圧力センサー22は胴体フェアリング12の内部の圧力を測定する。その圧力は蒸発冷却システム16内の圧力、すなわち、冷却流路17内の圧力に相当する。既に言及したように、胴体フェアリング12は、航空機の非与圧領域に属する。圧力センサー22により測定される胴体フェアリング12の内部に存在する圧力p1は、実質的に、航空機の環境の周囲圧力PAに相当する。航空機が飛行中であるとき、及び、特に航空機がその巡航高度にあるとき、この圧力は海抜ゼロメートル地点での大気圧よりも著しく低い。]
[0062] 胴体フェアリング12の内部における周囲圧力の特性である、圧力センサー22によって出された信号は、電子制御ユニット24に供給される。圧力センサー22の信号に基づいて、電子制御ユニット24は、燃料電池14のバイポーラプレートに構成された冷却流路17を通って水が流れるに従って、水が液体状態から気体状態に移行されるようにして、燃料電池14の運転温度を制御する。冷却流路17を通って流れる水の蒸発により、運転中に燃料電池14から発生された反応熱が、冷却媒体として供される水に吸収される。]
[0063] 特に、電子制御ユニット24は、運転中に燃料電池14から発生される反応熱による蒸発冷却システム16の冷却流路17を通って流れる水の蒸発が湿り蒸気領域内でなされるように、圧力センサー22から制御ユニット24に供給される信号に基づいて、燃料電池14の運転温度を制御する。これを達成するために、制御ユニット24は、常に、燃料電池14の運転温度が、圧力に依存する、冷却媒体水の蒸発温度より約0から5℃高くなるように、燃料電池14の運転温度を制御する。]
[0064] このように、燃料電池14の運転温度は、航空機の飛行高度及びそれに伴う胴体フェアリング12内の圧力に基づいて、冷却媒体水の、圧力依存の蒸発曲線に常に付随するように、制御ユニット24により制御される。表1は、航空機の飛行高度に依存する、冷却媒体水の沸騰又は蒸発の温度の相当値、及び、沸騰又は蒸発の圧力である。]
[0065] 表1:航空機の飛行高度に依存する、冷却媒体水の沸騰温度及び沸騰圧力(北半球、北緯45°、7月)]
[0066] 航空機が巡航高度にあるとき、燃料電池14は約60℃の運転温度で運転できることが、表1から明白である。航空機が上昇中又は下降中にあるとき、燃料電池14の運転温度は、制御ユニット24によって、変化する周囲圧力に連続的に適合される。言い換えれば、航空機の上昇中及び下降中のともに、蒸発冷却システム16の冷却流路17内の冷却媒体水の蒸発が、湿り蒸気領域内でなされるように、圧力に依存する、冷却媒体水の蒸発曲線を追跡するように、燃料電池14の運転温度は設定される。その結果、蒸発冷却システム16の冷却流路17を通って流れる冷却媒体の適切な蒸発が常に保証される。同時に、不必要に高い運転温度における燃料電池14の運転が回避される。]
[0067] 表1は、その運転時間の大部分において、燃料電池14が60から90℃の最適運転温度範囲で運転できることを示している。航空機が3048m(10000フィート)以下の高度で飛行しているか、地上にあるときだけは、より高い燃料電池14の運転温度が必要となる。]
[0068] 燃料電池14内、すなわち、例えばアノード部、カソード部、アノード部をカソード部と分離する膜、アノードガス管又はカソードガス管において、通常は液体状態で存在する水の不要な蒸発を防ぐために、制御ユニット24は、燃料電池内に存在する液体の水の不要な蒸発を抑制するような運転圧力が燃料電池14内に発生されるように、燃料電池14の媒体供給システムに組み込まれた燃料電池運転圧力発生システム25を制御する。図1に示した低温PEM燃料電池14は、2barの運転圧力で運転される。2barの圧力においては、水の蒸発温度は、燃料電池14内に存在する液体の水の蒸発は、燃料電池14の運転温度圧力全体で確実に抑制されるような、120.23℃である。] 図1
[0069] 図1に示される燃料電池システム10は、さらに、外板冷却器の形式で構成される凝縮器26を具備する。凝縮器26は、燃料電池14を冷却する目的で燃料電池14の運転中に蒸発された水を液体状態に戻す役目をする。凝縮器26は、チタン合金、アルミニウム合金、繊維プラスチック化合物又はガラス繊維で強化されたアルミニウムからなる航空機の外板で、胴体フェアリング12の領域において構成される。蒸発冷却システム16の冷却流路17を通るにつれて蒸発された水は、パイプラインを備える必要なしに、冷却流路から蒸気排出管28を通って出現し、胴体フェアリング12の内側に分配されるようになり、航空機の外板の内面を移動する。この水蒸気は、航空機の外板の内面上で凝縮され、それから、航空機の外板の外面から環境に凝縮熱を放出する。] 図1
[0070] 燃料電池14が、例えば1MWの電力を発生するとき、燃料電池14からの反応熱の適切な除去を提供するために、毎秒0.5リットルの水が燃料電池14の運転中に蒸発されることが必要となる。この水蒸気は、蒸気排出管28を経由し、胴体フェアリング12の内部を通して航空機の外板の内面を移動し、そこで、凝縮する。従って、燃料電池14の運転中、毎秒約0.5リットルの凝縮水が航空機の外板の内面上で流れ落ちる。]
[0071] 航空機の外板の内面で流れ落ちる凝縮水は、凝縮液収集部30に集められる。凝縮液収集部30は、凝縮器26を構成する航空機の外板の領域に位置する。それは、凝縮水を集めるために重力を利用できるように、床の近くに位置する。凝縮液収集部30から、凝縮された水は、ポンプ18によって、燃料電池14の、冷却媒体タンク20に、又は、直接、バイポーラプレートに構成された冷却流路17に輸送される。そのために、閉じた冷却媒体回路が形成される。]
[0072] 明らかに、胴体フェアリング12の内部に配置された構成要素は、湿気から保護されなければならない。しかしながら、少なくとも約60℃の温度の水蒸気は、燃料電池14の運転中、蒸気排出管28を経由して、連続的に胴体フェアリング12の内部に供給されているので、胴体フェアリング12の内部に配置された構成要素は、飛行中、凍結及び冷気から保護される必要はない。胴体フェアリング12は、燃料電池システム10に適応した区画として構成されることができる。蒸発冷却システム16によって生成された水蒸気は、この区画の換気及び/又は不活性化に使用することができる。]
[0073] 高い周囲温度又は無風状態などによる、より難しい状態であるために、冷却媒体水に蓄積された燃料電池反応熱の、凝縮器26を通じた適切な除去がより困難である場合であっても、燃料電池システム10の確実な運転を保証するため、燃料電池システム10は、冷却媒体水を環境へ除去するために、2つの蒸気排出バルブ32、34の形式で構成された装置を、さらに具備する。蒸気排出バルブ32、34は、電子制御ユニット24により作動される。この目的のために、制御ユニット24は、圧力センサー22及び/又は胴体フェアリング12の内部の温度を測定する温度センサー36からの信号を受け取る。圧力センサー22及び/又は温度センサー36が、予め定められた臨界値を超えた、胴体フェアリング12内の圧力及び/又は温度を示した場合、水蒸気が胴体フェアリング12の内側へ蒸気排出管28を経由して運ばれ、それから、水蒸気に蓄積された熱エネルギーを胴体フェアリング12の内側から環境へ除去されるように、蒸気排出バルブ32、34は電子制御ユニット24によって開かれる。]
[0074] 凝縮器26、又は、その後の環境への冷却媒体の除去に不具合がある場合であっても、蒸発冷却システム16が適切に機能することを保証するため、冷却流路17を通って流れるに従って蒸発した冷却媒体の凝縮から独立した、蒸発冷却システム16への、すなわち、冷却材タンク20又は冷却流路17への冷却媒体の供給は、行われなければならない。この目的のため、燃料電池システム10は、プロセス水を引き抜く装置35を有している。それは、運転中に燃料電池14によって発生された水を受け取り、蒸発冷却システム16の冷却材タンク20に供給する役目をする。]
[0075] 最後に、燃料電池システム10は、燃料電池14の運転中に発生された電気エネルギーを貯蔵する貯蔵システム37を有している。貯蔵システム37は、燃料電池14によって発生された余剰エネルギーを中間に蓄える役目をし、要求があれば、それを、燃料電池14によって電気エネルギーを供給されている、航空機に搭載された機器に送る。貯蔵システム37は、例えばスーパーキャパシタ又は複数のスーパーキャパシタを含むことができる。]
[0076] 原則として、胴体フェアリング12も圧力容器として構成することができる。この場合、胴体フェアリング12の内部の圧力p1は、周囲圧力pAよりも高くすることもできる。冷却媒体の蒸気が凝縮可能であるので、胴体フェアリング12の内部も負荷の変動を吸収する貯蔵容器として役立つことができる。さらに、ポンプ18、燃料電池14を通じた熱の入力、及び蒸気排出バルブ32、34の対応する制御を通じた、胴体フェアリング12の内部の圧力p1の特定の変化の場合には、伝熱が圧力依存であるので、胴体フェアリング壁の内面の伝熱の強さに影響を与えることができる。ただし、圧力容器としての胴体フェアリング12の設計は、対応する胴体フェアリング壁の補強を必要とし、そのため、不要な重量の増加につながる。]
[0077] 図2に示される燃料電池システム10は、図1による燃料電池システムとは異なり、燃料電池14は、低温PEM燃料電池ではなく、高温PEM燃料電池として構成される。図2による高温PEM燃料電池は、通常、図1に示したような低温PEM燃料電池14よりも高い運転温度(最高200℃)で運転される。] 図1 図2
[0078] さらに、その閉鎖位置で蒸発冷却システム16の冷却流路17を含む圧力域の限界を定めるバルブ40が、蒸発冷却システム16の冷却流路17に接続される蒸気排出管28に配置される。この圧力域を数barの過剰圧力に耐えられるように設計することができる。従って、ポンプ18により、蒸発冷却システム16の冷却流路17を含む圧力域に、胴体フェアリング12内の圧力p1よりも高い圧力p2が発生されることができる。図2には図示されていない圧力センサーを、この圧力域の圧力を測定するために備えることができる。] 図2
[0079] 図2に示した燃料電池システムでは、低い周囲圧力pAに対応する蒸発冷却システム16の冷却流路17内の圧力において、蒸発冷却システム16の冷却流路17にて、資材の過熱とそれに続くオーバーヒートが起こり、低圧力での冷却媒体の比較的低い蒸発温度と、高温PEM燃料電池14の比較的高い運転温度との大きな差に起因して、資材が損傷される。これを抑制するため、蒸発冷却システム16の冷却流路17内の圧力は、冷却媒体の最適な沸騰の振る舞いが高温PEM燃料電池14の運転温度にて達成される冷却媒体の蒸発温度を上昇させるために、ポンプ18によって、特に増大させられる。] 図2
[0080] 制御ユニット24は、蒸発冷却システム16の冷却流路17内の圧力に基づいて、冷却流路によって流れる水の蒸発が、運転中に燃料電池14によって発生した反応熱によって、湿り蒸気領域でなされるように、燃料電池14の運転温度を制御することができる。ただし、それに代えて、制御ユニット24は、燃料電池14の運転温度を制御変数として用いることができ、運転中に燃料電池14により発生される反応熱による冷却流路を通って流れる水の蒸発が湿り蒸気領域内でなされるように、燃料電池14の運転温度に基づいて蒸発冷却システム16の冷却流路17内の圧力を制御することができる。図2で示される燃料電池システム10の運転は、このように、周囲圧力pAに関係なく、従って、航空機の高度に関係なく達成されることができる。さらに、蒸発冷却システム16の冷却流路17内の圧力の変化は、冷却流路17内の伝熱の制御を可能とする。ポンプ18と、運転中に燃料電池14によって発生された反応熱と、バルブ40と、蒸気排出バルブ32、34との間の相互関係は、飛行高度、機上電源システムの負荷要求、貯蔵システム37の負荷状況等のような、気象により決められたり、運用上影響を及ぼす変数に基づいて、制御ユニット24によって制御される。他の点では、図2に示された燃料電池システム10の構造及び機能は、図1によって取り決められた構造及び機能に対応する。] 図1 図2
[0081] 図3に図示された燃料電池システム10は、図2に示した配置とは異なり、燃料電池システム10は、燃料電池の反応熱を環境へ取り除くための凝縮器26だけでなく、冷却媒体水に蓄積された熱を利用するための、除氷設備の形式で構成された装置42をも具備する。この除氷設備は、蒸気排出管28から分かれており、蒸発冷却システム16の冷却流路17から現れる水蒸気を引き取り、除氷しようとする航空機の領域に運ぶ、2つの蒸気管44、46を具備している。] 図2 図3
[0082] 水蒸気は、蒸気管44、46を通って流れるにつれて、航空機の除氷されるべき領域へ蒸気に蓄積された熱エネルギーを放出し、そして、胴体フェアリング12の内部に気体状態のまま又は液体状態で戻される。圧力制御バルブ48、50、52、54は、蒸気管44、46内の所望の圧力を制御する目的で、蒸気管44、46内に配置される。圧力制御バルブ48、50、52、54は、蒸発冷却システム16の冷却流路17内の所望の圧力p2及び蒸気管44、46内の所望の圧力p3に基づいて制御される。ただし、蒸気管44、46内の圧力p3は、蒸発冷却システム16の冷却流路17内の圧力p2を超えることはできない。蒸気管44、46内の圧力の変化により、蒸気管44、46内の伝熱を制御することができる。ポンプ18と、運転中に燃料電池14によって発生された反応熱と、バルブ40と、圧力制御バルブ48、50、52、54、蒸気排出バルブ32、34との間の相互関係は、飛行高度、機上電源システムの負荷要求、貯蔵システム37の負荷状況等、さらに、必要であれば、主構造体の優先除氷の仕様のような、気象により決められたり、運用上影響を及ぼす変数に基づいて、制御ユニット24によって制御される。]
[0083] さらに、図3に図示した燃料電池システム10は、2つの航空エンジン58の排気ガス流へ水蒸気を供給するための2つの供給設備56を具備する。水蒸気は、例えばベンチュリ管を通って航空エンジン58の排気ガス流へ取り込まれることができる。航空エンジン58の排気ガス流への水蒸気の供給は、エンジン58の汚染物質の放出を削減することができる。その他の点では、図3に示された燃料電池システム10の構造及び機能は、図2によって取り決められた構造及び機能に対応する。] 図2 図3
权利要求:

請求項1
燃料電池(14)と、該燃料電池(14)と熱的に接触しており、前記燃料電池(14)の運転中に前記燃料電池(14)により発生される熱を、冷却媒体の蒸発によって吸収して前記燃料電池(14)から除去するためのものである蒸発冷却システム(16)とを具備する燃料電池システム(10)であって、前記蒸発冷却システム(16)内の圧力を感知するための装置(22)と、前記燃料電池(14)の運転中に前記燃料電池(14)により発生される熱によって前記蒸発冷却システム(16)の冷却媒体を液体状態から気体状態に移行させるように、前記蒸発冷却システム(16)内の圧力を感知するための装置(22)から供給される信号に基づいて前記燃料電池(14)の運転温度を制御するように適合された制御ユニット(24)とを特徴とする燃料電池システム(10)。
請求項2
前記制御ユニット(24)は、前記燃料電池(14)の運転中に前記燃料電池(14)により発生される熱による前記蒸発冷却システム(16)の冷却媒体の蒸発が、前記冷却媒体の湿り蒸気領域内でなされるように、前記蒸発冷却システム(16)内の圧力を感知するための装置(22)から制御ユニット(24)へ供給される信号に基づいて前記燃料電池(14)の運転温度を制御するように設けられていることを特徴とする請求項1に記載の燃料電池システム。
請求項3
前記燃料電池(14)内に所望の圧力を発生させるように適合された燃料電池運転圧力発生システム(25)と、前記燃料電池運転圧力発生システム(25)を制御するための制御ユニット(24)とを有することを特徴とする請求項1又は2に記載の燃料電池システム。
請求項4
前記燃料電池運転圧力発生システム(25)を制御するための制御ユニット(24)は、前記燃料電池(14)内に通常は液体状態で存在する物質及び/又は物質の混合物の不要な蒸発を抑制する圧力を前記燃料電池(14)内に発生させるように前記燃料電池運転圧力発生システム(25)を制御するように適合されていることを特徴とする請求項3に記載の燃料電池システム。
請求項5
前記燃料電池運転圧力発生システム(25)を制御するための制御ユニット(24)は、前記燃料電池(14)の運転温度に基づいて、及び/又は、前記蒸発冷却システム(16)内の圧力を感知するための装置(22)の信号に基づいて、前記燃料電池(14)内の圧力を制御するように適合されていることを特徴とする請求項3又は4に記載の燃料電池システム。
請求項6
前記蒸発冷却システム(16)は、前記燃料電池(14)を冷却する目的で前記燃料電池(14)の運転中に蒸発された前記冷却媒体を凝縮するための凝縮器(26)を具備することを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の燃料電池システム。
請求項7
前記凝縮器(26)は、外板冷却器の方式で構成されていることを特徴とする請求項6に記載の燃料電池システム。
請求項8
前記冷却媒体に蓄積された熱を利用のための少なくとも一つの装置(42)を有することを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載の燃料電池システム。
請求項9
前記冷却媒体に蓄積された熱の利用のための装置(42)は、蒸気暖房手段、水の脱塩設備又は航空機の除氷設備であることを特徴とする請求項8に記載の燃料電池システム。
請求項10
前記冷却媒体を環境へ除去する装置(32、34)を有することを特徴とする請求項1から9のいずれか一項に記載の燃料電池システム。
請求項11
燃料電池(14)と、該燃料電池(14)と熱的に接触しており、前記燃料電池(14)の運転中に前記燃料電池(14)により発生される熱を、冷却媒体の蒸発によって吸収して前記燃料電池(14)から除去するためのものである蒸発冷却システム(16)とを具備する燃料電池システム(10)の運転方法であって、前記蒸発冷却システム(16)内の圧力を、圧力感知装置(22)を用いて感知する工程と、前記燃料電池(14)の運転中に前記燃料電池(14)により発生される熱によって前記蒸発冷却システム(16)の冷却媒体を液体状態から気体状態に移行させるように、前記圧力感知装置(22)から前記制御ユニット(24)へ供給される信号に基づいて制御ユニット(24)を用いて、前記燃料電池(14)の運転温度を制御する工程とを特徴とする燃料電池システム(10)の運転方法。
請求項12
前記燃料電池(14)の運転中に前記燃料電池(14)により発生される熱による前記蒸発冷却システム(16)の冷却媒体の蒸発が前記冷却媒体の湿り蒸気領域内でなされるように、前記圧力感知装置(22)から前記制御ユニット(24)へ供給される信号に基づいて、前記燃料電池(14)の運転温度が制御されることを特徴とする請求項11に記載の方法。
請求項13
前記燃料電池(14)内に、燃料電池運転圧力発生システム(25)を用いて所望の圧力を発生させることを特徴とする請求項11又は12に記載の方法。
請求項14
前記燃料電池運転圧力発生システム(25)が、前記燃料電池(14)内に通常は液体状態で存在する物質及び/又は物質の混合物の不要な蒸発を抑制する圧力を前記燃料電池(14)内に発生させるように、前記燃料電池運転圧力発生システム(25)を制御するための制御ユニット(24)を用いて制御されることを特徴とする請求項13に記載の方法。
請求項15
前記燃料電池運転圧力発生システム(25)を制御するための制御ユニット(24)が、前記燃料電池(14)の運転温度に基づいて、及び/又は、前記圧力感知装置(22)の信号に基づいて、前記燃料電池(14)内の圧力を制御することを特徴とする請求項11から14のいずれか一項に記載の方法。
請求項16
前記燃料電池(14)を冷却する目的で前記燃料電池(14)の運転中に蒸発された前記冷却媒体が、凝縮器(26)内で凝縮されることを特徴とする請求項11から15のいずれか一項に記載の方法。
請求項17
前記冷却媒体が、外板冷却器の方式の凝縮器(26)によって凝縮されることを特徴とする請求項16に記載の方法。
請求項18
前記冷却媒体に蓄積された熱が、該熱の利用のための少なくとも一つの装置(42)に供給されることを特徴とする請求項11から17のいずれか一項に記載の方法。
請求項19
前記冷却媒体に蓄積された熱が、蒸気暖房手段、水の脱塩設備又は航空機の除氷設備の形で構成された、該熱の利用のための装置(42)に供給されることを特徴とする請求項18に記載の方法。
請求項20
前記冷却媒体が環境へ除去されることを特徴とする請求項11から19のいずれか一項に記載の方法。
請求項21
請求項1から10のいずれか一項に記載の燃料電池システム(10)を具備する航空機。
請求項22
前記燃料電池システム(10)が、前記航空機の非与圧領域に配置されていることを特徴とする請求項21に記載の航空機。
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法律状态:
2011-10-19| A621| Written request for application examination|Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20111018 |
2013-05-15| A131| Notification of reasons for refusal|Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20130514 |
2013-10-16| A02| Decision of refusal|Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20131015 |
优先权:
申请号 | 申请日 | 专利标题
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